電極間に架橋されたπ共役分子の電気伝導特性

近年、有機FET(Field Effect Transistor)のキャリア注入特性が活発に研究されています。有機FETの特長として低い製造コスト・幅広い応用性・機械的柔軟性等が挙げられ、産業的な観点からも非常に注目を集めている分野であると言えます。

松下電器産業株式会社の豊田様他は、TranSIESTA-Cを用いて金属間に架橋されたナフタレンの電気伝導特性を計算されました[1]。その結果、ナフタレンのπ軌道と電極間の相互作用が電気伝導特性に本質的に寄与していることが示されました。また、金電極を用いたほうがアルミ電極の場合よりも高いコンダクタンスをもつという計算結果が得られました。MPSHによる解析により、電極のフェルミエネルギーとナフタレンのLUMO軌道に対応するMPSH軌道のエネルギーが近いほどナフタレンのπ軌道と電極間の相互作用が大きくなり、その結果、コンダクタンスが高くなることが示唆されます。


図1 金電極(111)面間に架橋されたナフタレン分子。

References
[1] K. Toyoda, K. Morimoto, K. Morita, Surface Science 600 (2006) 5080-5083


お問い合わせ

Copyright © 2011 QuantumWise Japan KK All rights reserved.