Atomistix ToolKit 機能一覧

Atomistix ToolKit(ATK)はナノスケールデバイスの非平衡グリーン関数(non-equillibrium Green's function (NEGF))の手法を用いて、バリスティック伝導による電子輸送特性のシミュレーションを実現するソフトウエアです[1][2]。電子状態を記述する手法として、密度汎関数法に基づく「Atomistix ToolKit - Density Functional Theory (ATK-DFT)」と、半経験的手法に基づく「Atomistix ToolKit - Semi-Empirical (ATK-SE)」の2種類を選択することが可能です。またデバイス構造だけでなく、一般的なBulk構造や孤立分子の電子状態計算も実行することができます。ATKはあらゆる種類の原子スケールモデルの電子状態シミュレーションと輸送特性のシミュレーションを実現します。またインターフェースとしてGUIであるVirtual NanoLab(VNL)とPythonスクリプトベースの入力ファイルを用いることができ、複雑な操作を簡便にかつ柔軟に実行することが可能です。

電子構造計算

  • 密度汎関数法
    Siesta型数値基底を採用
    300種以上の交換相関汎関数(LDA,GGA.metaGGA)(Full List)
    スピン分極計算に対応
    ノムル保存型擬ポテンシャル
    Hartwigsen-Goedecker-Hutter (HGH)擬ポテンシャル
    Hubberd-U項の考慮が可能
  • 半経験的手法
    DFTB型の30種以上のパラメータ
    ユーザ定義のSlater-Kosterパラメータを導入可能
    300種以上のExtend Huckel基底
    スピン分極計算に対応

電子輸送計算

  • TranSIESTAで培われた手法を改善し開放系の2プローブ系の計算を実現

    図:2プローブ構造の概念図
  • 非平衡グリーン関数法(Non-equillibrium Green's function,NEGF法)により散乱領域の電子状態を記述
  • オーダーNのグリーン関数計算と中央領域の疎行列化
  • Krylov法(Phys. Rev. B 77, 155301 (2008) and Phys. Rev. B 79, 205322 (2009))法による高速な自己エネルギーの計算
  • 有限バイアス下におけるScattering State法の採用によるContour積分の高速化
  • 異種電極の計算(example)
  • 開放系における全エネルギー計算
  • Bulk構造からの透過係数の計算

輸送計算解析手法

  • バリスティック、コヒーレント、弾性、トンネリング機構による輸送解析
  • 透過係数(Transmission)およびそれに関連した物性
  • デバイス構造における状態密度、構造体内の部分構造に射影した状態密度
  • 電圧降下(example(En))
  • Molecular projected self-consistent Hamiltonian (MPSH) 固有値および固有状態
  • 状態密度の実空間への射影


図:TMR素子構造(FeCoGa/MgO/FeCoGa)のk依存透過係数 図:ZGNRを用いたFET構造の(a)Top View, (b)Side View, (c)I-V特性(青Vg=1V, 赤Vg=4V, (d)透過係数のバイアス依存性(Vg=1)

Electrostatic model

  • ゲート電極および誘電体領域の指定
    • ゲート構造を考慮したトランジスタ構造のシミュレーションが可能
    • 複数のゲート電極・誘電体領域の定義
  • Poisson方程式の解法としてMulti-Grid法とFFT法を導入
    • 通常の周期境界条件に加えDirchlet, von Neumannの境界条件を適応可能
    • A,B,C方向それぞれに異なった境界条件を指定
    • 輸送計算では高速なFFT2D法を使用可能
  • 各原子の軌道に対してポテンシャルをシフトすることによるゲート効果の考慮
  • 誘電率の指定
  • 分子系周期系において電荷を持ったシステムが計算可能
図:CNTを用いたFET構造モデル 図:系内の誘電体領域を指定

物性値の計算

  • 分子スペクトル。周期系では構造の部分に射影したスペクトルも計算可能
  • バンド構造(example)
  • 状態密度(Projected DOSも可能)
  • 分子軌道 Bloch関数
  • 電子密度 有効ポテンシャル 静電ポテンシャル 分子軌道の可視化
  • 力の計算(Hellmann-Feynmann)
  • 圧力テンソル
  • 光学的性質
    • Kubo-Greenwood formalismによる線形応答
    • 吸収、誘電率、屈折率の計算

図:バンド図の描画
図:SiO2のBloch状態の3D描画 図:吸収・屈折率

構造最適化・分子動力学

  • Quasi-Newton法による構造最適化およびセル長の最適化
    • Constrainを課すことが可能
    • バイアス下における構造最適化
  • 分子動力学
    • Velocity Verlet
    • NVT Berendsen
  • 古典力場
    • EMT Potential (Ni, Cu, Pd, Ag, Au各単体およびAlloy)
    • Brenner potential (C, 炭化水素, Si, Ge)
  • Nudged elastic bands(NEB)
    • 化学反応の反応経路と遷移状態および活性化エネルギー
  • その他

    • SCF収束性向上のためのFermi level smearing
    • Pulay法のパラメータ指定による収束性向上
    • Monkhorst-Pack k-point sampling
    • Brillouin zone対称点の自動指定
    • 収束した電子状態を読み込んであらたな計算の再開
    • Kerker preconditioner
    • 初期スピン状態の指定
    • Proprietary sparse matrix library

    構造の入出力

    • 構造の入力してxyz, cif, car,vasp形式を利用可
    • xyz構造への出力
    • Cube形式への出力
    • 物性値のテキストデータへの出力

    Interface

    • GUIであるVirtual NanoLabよる構造作成、計算設定、計算実行、解析
    • Pythonスクリプトによる計算制御(example)

    外部コードのInterfaceとして

    動作環境

    • Windows(7,Vista), Linux(CentOS, Ubuntu等), WindowsLinux共に32Bit 64Bit

    並列計算

    • MVAPICH2(Infiniband)
    • MPICH2(MPICH)
    • Intel MPI
      (注)MPICH2による並列計算を実行するためにはSlaveライセンスが必要です。
    • Intel Math Kernel Libraly(MKL)

    References

    [1]M. Brandbyge, J.-L. Mozos, P. Ordejon, J. Taylor, and K. Stokbro, Phys. Rev. B 65, 165401 (2002).
    [2]J. M. Soler, E. Artacho, J. D. Gale, A. Garcia, J. Junquera, P. Ordejon, and D. Sanchez-Portal, J. Phys. Condens. Matter 14, 2745 (2002).

    関連ページ

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